HTMLコーディングって、とどのつまり、こういうことです。
「文章や画像を、囲んで寄せる」
これだけ。
とても単純な仕組みなのです。
もうちょい詳しく説明すると、段組を作っているに過ぎないのです。
ひたすら段組です。
例えば、コンテンツエリアとサイドナビも段組です。ナビを右か左に寄せているだけ。
例えば、グローバルナビのボタン群も段組です。ボタンを6段とか7段とかに段組しているだけ。
コーディングとは、要はこれだけ。
そしてひたすら段組を繰り返し、いっこのサイトになるわけです。
まぁ例外はありまして、例えばショッピングカートのようなASPで、HTMLがいじれないとか、セキュアが別サーバーだとか、CMSも別サーバーだとか、っていうか通常サーバーとセキュアサーバーとCMSサーバーと管理画面による商品管理でそっちにもHTML入れてつまり計4サーバーでのサイト運用ってどんだけ離れ業だよとか、レコメンド機能に至っては別の管理画面かよ!?とか。
そういう、普通ではあり得ないはずの制約を受けてしまうケースが起こりえるのだとしたら(あくまでも可能性の話デス)、コーディングの難易度は上がる──というよりもHTMLやCSSだけではやりたいことは実現できませんのでjQueryで無理矢理コードを書き換えたりと、コーディングの範疇を超えてちょっとしたシステム開発になるわけですが。
基本はとても簡単なのです。(説得力が薄れたような?)
囲んで寄せて段組を作るだけ、なのです。
人間が、複雑怪奇なソースコードやサーバー構成や運用方法にしているだけなのです。
ぼくも駆け出しの頃は、習得した技術を使うこと自体がおもしろくて、ずいぶんとテクニカルな書き方をしていましたが、そういうのは全然不要なのです。
headerタグも、sectionタグも、articleタグもいりません。divでいいんです。使い分けに悩むでしょ?
ロールオーバーは素直にjQueryでいいんです。CSSによる1枚画像の背景処理したら更新が大変でしょ?
position absoluteなんて使った日にゃアナタ、どこでレイアウト崩れるか分かりませんよ?
コーダーは、誰に向けてコーディングしているのか、今一度考えてみましょう。
サイト訪問者はHTMLなんて見てません。なのに最新技術をひけらかすことが必要でしょうか?
他のコーダーがソースコードを見て絶賛してくれることが必要でしょうか?
いわんや、ブラウザに対して指示を出しているわけでもありません。いやもちろん、HTMLとCSSはブラウザへの指示命令言語なわけですが、重要なのはソコではないのです。
HTMLとCSSは、サイト運用する人間のために書いているのです。
コーディングの原理は『囲んで寄せる』だけですから、とてもシンプル。
ですからこのシンプルな原理のままに、コーディングすればいいのです。
そうすると、ソースコードも少なく、シンプルで、きれいなコードに仕上がります。
きれいなコードになるとどうなるのかといえば、サイト運用が短時間ですむようになります。
つまり、お金に並ぶ経営資源である時間が増えるということですね。
ネットが世に出てから、かれこれ20年になるでしょうか。
にもかかわらず、『ホームページは作ったら終わり』という認識がまだあるように思います。プロの間ですら。
ホームページは紙媒体ではありません。つまり、刷ったら修正できないわけではありません。
むしろ、公開した後に修正更新を重ねていくほうが大切なのです。
ですから、新規制作やリニューアル制作の段階から、今後どのように更新運用されていくかを考えながらコーディングしていく必要があります。
運用段階になると、必要なのはデザインよりむしろコーディングなのですから。
日々、膨大なソースコードとの格闘が始まるわけです。
そこがブラックボックス化してたら、目も当てられません。
たとえるなら、100本の電源コードが絡まりまくっている状態です。どこのプラグをさせばスマホ充電できるの!?って感じです。これじゃあ時間かかりますよね?
「新規制作のときにそんな余裕あるか!」という声も聞こえてきそうですが、逆です。
シンプルできれいなコードにした方が、新規制作でも早く書けます。
そりゃそうです。タイピングする文字数も減るし、『囲んで寄せる』を繰り返すだけですから悩む時間も減ります。
余裕がないからコードが雑になる、のは経験が足りない証拠なのです。
あ、でも、アレです。ほぼ組み終わった後にぜんぜん違うデザインが出てくるとか、オイオイ(^_^;)\(・_・)な状況だとソースコードも矛盾しますけどねぇ。というかそれは、サイトデザインに矛盾があるわけですから、そりゃソースコードも矛盾しますがな。
でも、そんな理不尽な状況であっても、ソースコードをクリーンに保つ心がけは大切です。連番に空きができたとか、idやclass名がすっきりしないとか、その程度にとどめましょう。
まとめますと、コーダーという生き物は常日頃こう考えるべきです。
『何事も、いかにラクするか』
いやまぢで。
少なくシンプルに考えた方が、結果、時間短縮になってラクできるわけですから。
その練習として、常日頃こんなふうに心がけてはいかがでしょうか?
余計なことはしない。無駄なことはやらない。使わないモノがあれば処分する。いらないモノは捨てる。
ちなみにぼくは、仕事場はとてもスッキリしてるので、あとは目下、余計な体脂肪を減らせるようがんばってます(><)
そして、コーダーがラクに短時間で書けるようになればなるほど、サイト運用者の時間短縮にもなるわけです。
『時間』を確保できるようになるわけです。
ぼくの体感では、下手な人が書いたコードだと、更新時間が普段の3倍かかります。なので見積もりも3倍にしないと自分が赤字になってしまいます。
ですが、ちゃんとした人が書いたコードだと、書き方に違いがあっても、自分のコードとほぼ同じ時間で更新が可能です。(そういう絶賛できるコードにお目にかかったのは、15年やってきた中でただの一度きりでしたが)
書き方に違いがあっても、同じ時間で作業できるのはなぜかといえば、
『囲んで寄せる』
という原則が守られているから、なんですね。
ぜひ、自分もラクして、サイト運営者もラクをさせてあげてくださいね。